おとなり教室で学んだことは?
たくさんありますが、まずは音楽の楽しさです。4歳の頃、別の教室でエレクトーンを習っていましたが、楽しさがわからずすぐに辞めてしまっていました。
そんな過去があり、かつ人見知りだった私は、ピアノを習うことも初めは消極的でした。そんな私が中学3年生まで通い続けることができ、今でも音楽が好きなのは、自分で音を奏でたり、みんなと気持ちを一つにして合奏したりする楽しさをこの教室で学ぶことができたからだと思います。
進学、そして就職において音楽の道には進んでいませんが、だからこそ音楽を楽しむことで、心に余裕ができ、豊かになる気がします。これからもこの教室で学んだことを忘れずに生きていきたいです。
おとなり教室はどのような場所でしたか?
ピアノのレッスンをするのはもちろんですが、先生や友達と一緒におしゃべりしたり、宿題をしたり、学童保育のような場所でもありました笑
普段はクラスや学年、部活も違うところで頑張っている仲間から刺激を受け、切磋琢磨して成長できる貴重な場所だったなと改めて思います。
たくさんの生徒がいる中で、先生は一人一人に真正面から向き合い、理解してくださったので、自分に自信をつけることもできました。
そして動物と触れ合うのはそこまで得意ではなかった私も、教室にいるたくさんの動物達、そしてその動物達に会話するように接する先生、恐れもなく触れ合える友達と一緒に過ごして、動物と仲良くなりたいなと思い、自分から撫でたり、話しかけてみたりできるようになりました。(あずきには吠えられていましたが、、笑)
おとなり教室で学んだことの中で、大人になって実感が湧いた出来事や、考え方などはありますか?
人に何かを伝えることの難しさです。
発表会のオペレッタの練習で、ただセリフを言うのではなく、自分の言葉として話すことを学びました。そのために当時は少しオーバー気味に抑揚や身振り手振りをつけるなど、若干恥ずかしいと感じてしまうこともありましたが、今になって、あの時習ったことはすごく大事だったなと感じます。
こう思うのは、伝えたいことをただ口にするだけでは伝わらない、ということを就職活動での面接や、大学で研究について人に話す際、その他にも様々な場面で難しさを痛感したからです。
私もまだまだできていませんが、ステージに立ち、人前で自分の殻を破って思いを伝える機会があるこの教室はとても恵まれていると思います。
そして、オペレッタで扱った一つ一つのテーマはどれも身近でとても大事なことばかりで、今でもよく思い出します。子供のうちに命、食、環境といったテーマに触れ、自分で考える時間をくださったことに本当に感謝しています。
また、一人一人のもつ個性を理解し合うこと、思いやることの大切さも学べる場だったと思います。
教室には、学年や性別、住んでいる場所など、育った環境も個性も違う子供達が集まっていて、みんな平等にレッスンを受けていました。
その中で何気ない会話をしたり、協力して発表会の準備をしたりなど、自分と違う個性を持つ人に対して偏見を持たずに接する、尊重し合う、そういったことが自然に生まれていた教室でした。
多様性を受け入れることが大事だということが最近よく言われていて、実際に今の私がそんな心を持つことができているかは分かりませんが、この教室で小中学生の期間を過ごせて本当によかったなと思います。